■日本剣道形
下記に日本剣道形の演舞場の留意点をまとめたページへのリンクを記載しました。日本剣道形の諸動作には、剣の極意が盛り込まれています。なお、日本剣道形を学ぶ前に木刀による剣道形なるものが作られ、小中学生の昇給審査で使われています。 → 木刀による剣道形
 
太刀一本目~七本目

小太刀一本目~三本目

 
太刀の形


基本技

仕太刀

打太刀

1本目 右上段vs. 左上段 ・右上段(左手、右足前)に構える ・      左上段(左手、左足前)に構える。

お互いに構え、互いに進む

・仕太刀は、心得たとばかり、左足から体を少し後方にひき、打太刀の剣先を抜いて、すかさず「トー」の掛け声とともに右足を踏み出して打太刀の正面を打つ。 ・      間合いに入るや打太刀は機を見て「ヤー」の掛け声とともに、右足を踏み出し、仕太刀の正面を打ち下ろす。打ち下ろした剣先は下段の構えよりもやや低くなる。
・十分な気位で打太刀を圧倒しながら剣先を打太刀の顔の中心につけつつ、打太刀がさらに一歩ひくので、それと同時に左足を一歩踏み出しながら左上段に振りかぶり、残心を示す。 ・      剣先を下ろしたまま、左足から送り足で一歩ひく。
・打太刀が剣先を下段から中段につけ始めるのに合わせて、仕太刀は左足をひいて上段をおろす。 ・      剣先を下段から中段につける
相中段

双方同時に相中段となった後、刀を開いて下がる。

※刀を開いて下がるとき、剣先は相手のひざの直ぐ下につける。以下はすべて同じ。

2本目 相中段

相中段にて、お互いに先(せん)の気位で進む。

・      左足、右足と体を斜め後ろに開くと同時に、打太刀の刀を抜いて大きく右足を踏み出し、大わざで「トー」のかけ声とともい、打太刀の右小手を打つ。※      右足を踏み出すとき、左足も進める。・      打太刀が元に戻るのをじっと待ち、その間、十分な気位をもって身構え、残心を示します。
 
・      間合いに入るや、打太刀は、機を見て「ヤー」の掛け声とともに、大わざで仕太刀の右小手を打つ
 
 

双方、相中段となりつつ、抜き合わせた位置へ戻ります。

3本目 相下段

双方、相下段に構え、互いに右足から先の気位で進む

間合いに入るや、互いに気合の充実を争いつつ、双方中段となる

・      仕太刀は、左足から1歩大きく体を引きながら、打太刀の刀身を軽く入れ、同時に「トー」と打太刀の胸部へ突きかえす。・      ※胸部をつくのであるから、刀が高めに交差しないこと。 ・      打太刀は機を見て、刃先を少し仕太刀の左に向け、右足から1歩踏み込みながら、鎬(しのぎ)で刷り込み、諸手(もろて)で「ヤー」と仕太刀の水月(みぞおち)を突く。
・・      仕太刀は、さらにつきの気勢で左足を踏み出し、剣先を胸部につける。・ ・      打太刀はこのとき右足をひき、剣先を仕太刀の下から返して諸手をやや伸ばして左自然体の構えとなり、剣先は仕太刀ののどにつけて、仕太刀の刀を鎬で右に押さえる。※ 剣先を仕太刀ののどにつけることが大切
・      仕太刀はすかさず右足から2歩、3歩と小足にやや早く進み、剣先を胸部から次第に上げて顔の中心につける。・ ・ 打太刀は左足を引くと同時に、剣先をしたからまわして返し、右自然体の構えになり、剣先は士たちののどにつけつつ、鎬で押さえる。しかし、仕太刀の気位に押されて剣先を下げながら左足から後ろにひく。
その後、打太刀は右足から、仕太刀は左足から相中段となりつつ、刀を抜き合わせた位置に戻る。

※ 打太刀は3歩、仕太刀は5歩

~1級まで
4本目 脇構えvs.八相の構え ・      打太刀は八相の構え、仕太刀は脇構えで、互いに左足から小さく3歩進む
・ 打太刀の変化に応じて仕太刀もすかさず脇構えから左上段に変化し、 ・機を見て打太刀は八相の構えから左上段に変化し、
双方ともじゅうぶんな気勢で、右足を踏み出し正面を打つ。
相打ちとなり、互いに鎬を削るようにして相中段となる。
・      仕太刀は、左足を左斜め前に踏み出し、右足をその後ろに移すと同時に・      大きく巻き返して、「トー」のかけ声で打太刀の正面を打つ。※ 面を「切り落とす」のではなく、「切り結ぶ」ということが大切。切り落とすとすでにそこで勝負がついてしまう。 ・      打太刀は機を見て刃先を少し仕太刀の左に向け、右足を(左足をともなって)進め、仕太刀の刀を制しつつ、両手で「ヤー」のかけ声で仕太刀の右肺を突く。
・      仕太刀は右足から、 ・      打太刀は左足から、
・      双方、じゅうぶんにざん新を示しつつ、相中段となる。
5本目 中段 vs.諸手左上段 ・      仕太刀は中段に構え・      互いに先の気位で進む ・      打太刀は諸手左上段に構え・      互いに先の気位で進む※ 仕太刀は「高い中段」に構える。剣先を打太刀の左こぶしにつける。
・      仕太刀は左足から引くと同時に、打太刀の刀をすりあげて、右足から踏み出し、「トー」のかけ声で打太刀の正面を打つ。※      しっかりとすり上げて打つ。※      すり上げは、両腕の間から打太刀の体が見える程度。 ・      間合いに入り、打太刀は機を見て右足を踏み出すと同時に「ヤー」のかけ声で仕太刀の正面を打つ。※ 仕太刀のあごまで切り下げる心持で打ち下ろす。
・      仕太刀は右足を引きながら左上段となり残心を示す。※ 剣先を打太刀の顔の中心につけてから上段をとる。
打太刀が剣先を上げはじめるので、仕太刀も左足を引いて双方相中段となる。
・      仕太刀は右足から小足3歩進む ・      打太刀は左足から歩み足で小足3歩ひき、
双方、刀を抜き合わせた位置に戻る。
~初段
6本目 下段vs. 中段 ・      仕太刀は下段に構え、・      互いに右足から先の気位で進む。 ・      打太刀は中段に構え・      互いに右足から先の気位で進む。
・ 間合いに入るや、仕太刀は機を見て下段から打太刀の両こぶしの中心を攻める気勢で剣先を中段に上げ始める。
・      打太刀はすかさず中段のまま、大きく右足から(左足もともなって)1歩攻め進む。
・      仕太刀は左足を左に引くと同時に小さく打太刀の小手打ちを刷り上げ、右足を踏み出して「トー」のかけ声で打太刀の右小手を打つ。※ すりあげ小手が払い小手にならないように注意 ・      打太刀はしずかに左足を引いて中段に戻り、機を見て右足から踏み込んで「ヤー」のかけ声とともに小さく仕太刀の右小手を打つ。※ 正しく左足を開いてしのぎ、同時に右足を出して小手を打つ動作をしっかり行うこと。
・ 仕太刀は左足を踏み出しながら、左上段に振りかぶり、残心を示す。 ・      打太刀は剣先を下げて左足から左後方に大きく1歩ひく
・      双方、相中段となりつつ、刀を抜き合わせた位置にもどる。
7本目 相中段 ・      双方、相中段に構え、互いに右足から先の気位で進む
・ 仕太刀は左足から体をひくと同時に突きの気勢で諸手を伸ばして剣先を左斜め下に向け鎬で打太刀の刀を支える ・      間合いに入るや打太刀は機をみて右足を軽く1歩踏み込みつつ、刀の刃部をやや仕太刀の左斜め下に向け、鎬で刷り込みながら諸手で仕太刀の胸部を突く。
互いに会い中段となる。
・      仕太刀は右、左、右と足を運び、体をすれ違いながら、諸手で「トー」と打太刀の右胴を打つ(このとき、目を相手の体から離さないこと)※      胴を打つとき、次の動作を1,2,3と心の中で唱えてやるといい。1.打太刀が左足を出したとき、2.打太刀が右足を出したとき
3.仕太刀が「トー」という
・ 打太刀は、左足をふみだ足、右足を踏み出すと同時に、体を捨てて「ヤー」と仕太刀の正面に打ち込む
・      仕太刀は軽く右ひざをつき、爪先を立て左ひざを立てる。諸手は十分に伸ばし、刀は手とほぼ平行に右斜め前にとり、刃先は右に向ける。・      その後、刀を返して、脇構えで残心を示す。
・      打太刀は状態を起こして刀を大きく振りかぶりながら右足を軸にして左足を後ろにひき仕太刀と向かい合い、剣先を中段の程度につける。
・ 仕太刀はじゅうぶんな気勢で立ち上がり、相中段となる。 ・      打太刀は左足から後ろに引きながら相中段となる。
・      双方ともに縁が切れないように注意しながら、左足から刀を抜き合わせた位置に戻る

~2段


小太刀形三本(打ち太刀は太刀、仕太刀は小太刀)


基本技

仕太刀

打太刀

 小太刀1本目中段半身vs. 左上段 ・      中段半身に構える(剣先をやや高め)※ 小太刀を抜いて構えたとき、左手は5本の指を揃えて栗形(くりがた)の上を押さえる。 ・      左上段(左手、左足前)に構える。

お互いに構え、互いに進む

・      右足から進む。・      間合いに入るや否や仕太刀は入り身になろうとする ・      左足から進む・      右足を踏み出すと同時に左上段から「ヤー」のかけ声とともに仕太刀の正面を打ちおろす。
・仕太刀は右足を右斜め前に、左足をその後ろに進めて身体を右に開くと同時に右手を頭上に上げは先を後ろにして左鎬で受け流し、「ドー」のかけ声でうち達の正面を打つ。 ・      剣先を下ろしたまま、左足から送り足で一歩ひく。
・仕太刀は左足から1歩ひいて上段にとり、残心を示す。 ・      剣先を合わせながら、仕太刀に正対する。

双方同時に相中段となった後、刀を開いて下がる。

※刀を開いて下がるとき、剣先は相手のひざの直ぐ下につける。以下はすべて同じ。

小太刀2本目

中段半身vs.下段

・中段半身の構え(剣先はやや低め) ・下段

お互いに右足から進む

・打ち太刀が中断になろうとするタイミングを捉え、仕太刀はこれを押さえて入り身になろうとする。 ・身を守ろうとして下段から中段になろうとする。
・押さえられまいとして、右足を後ろに引いて脇構えに開く
・すかさず入り身になって攻め込む
・      左足を左斜め前に・      右足をその後ろに進めて体を左に開くと同時に右手を頭上に上げは先を後ろにし、右鎬で受け流す。 ・やむをえず脇構えから変化して左上段に振りかぶり、右足を踏み出すと同時に「ヤー」のかけ声で仕太刀の正面を打つ。
・「トー」のかけ声で正面を打ち、打ち太刀の二の腕を押さえ、
・右こぶしを右腰にとり、刃先を右斜め下に向け剣先をのどにつけて残心を示す。
・右足から相中段となる。 ・左足から相中段となる。

双方同時に相中段となった後、刀を開いて右足から下がる。

 

小太刀3本目

中段vs.下段半身

・下段半身の構え ・中段

互いに進む。

・打ち太刀が3歩目の右足を踏み出すとき、仕太刀が入り身になろうとする。 ・(仕太刀が入り身になろうとするので、)上段に振りかぶり、「ヤー」のかけ声で仕太刀の正面を打つ
・すりあげ、直ちにうち達の右斜めにすり落とす。
左足を斜め前に踏み出し、身体を斜めに開くと同時に、胴を打ってくる打ち太刀の刀を左鎬ですり流し、そのまま「トー」のかけ声とともに左鎬で、うち達のつば元にすり込み、小太刀のはばきで打太刀のつば元を押さえ、 (刀をすり落とされたので)直ちに左足を踏み出して、仕太刀の右胴を打つ
さらに入身となって、打太刀の二の腕を制する。※ 腕の制し方間接のやや上を横から押さえること。

(打太刀が左後方にひくので)そのまませめて2~3歩進み右こぶしを右腰にとり、刃先を右斜め下に向けて剣先をのどにつけ残心を示す。

左後方にひく

左足から中段 右足から中段

互いに中段になりつつ元の場所に戻る。

※仕太刀は左足から3歩下がること。

~3段以上