袴(はかま)の折り目はどうして5つ?

 
袴の襞(ひだ)は左右で数が違うのをみておかしいな?なんておもったことはないでしょうか。左右3つずつ6つではないなんて中途半端な気がします。しかし、この5本の折り目には深い意味が込められているのです。
袴の5本の襞は、「五輪五常の道を諭したもの」とされています。
袴の折り目に込められた五倫五常の教えを心に留めて、日頃の稽古終了時に自身の稽古、日頃の行動を見直す心を持つことも大切なことでしょう。千里剣心会では、「お互いを尊重すること」を大切にし、「礼儀正しく」あることを稽古の心構えとして大切にしています。

こうした袴の折り目の意味をわかって剣道具を取り扱うことも、剣道上達につながる一歩かもしれません。

五倫五常とはどういうこと?

■ 五輪とは、儒教における5つの基本的な人間関係を規律する徳目を表し、
1:君臣の義 ・・・ 君臣(くんしん)は義を重んじお互いを思いやる。
2:父子の親 ・・・ 父子は親しみを持つ。
3:夫婦の別 ・・・ 夫婦は互いに役割を持つ。
4:長幼の序 ・・・ 兄弟は互いを愛し、敬って序(上下関係)を守る。
5:盟友のの信 ・・・盟友(固い約束を結んだ友)は信じあう。
の徳目です。
五常とは、人が常に守るべき5つの徳目のことです。
1:仁 ・・・己に克ち、他に対するいたわりのある心のこと
2:義 ・・・正しい行いを守ること
3:礼 ・・・礼儀、礼節を重んじること
4:智 ・・・物の道理を知り正しい判断を下すこと
5:信 ・・・いつわりのない忠実な誠の心
 
ちなみに、後ろの一本襞(ひだ)は、二心のない誠の道を示したものとも言われています。裏の折り目は、以下の二つの意味を持ちます。
1:忠 ・・・ 主君に尽くすまごころのこと
2:孝 ・・・ 親、兄弟を大切にする心のこと