剣道の言葉に、「手の内」という言葉があります。辞書を引くと、1.てのひら、たなごころ:「―汗を握る」、2.勢力の及ぶ範囲:「天下を―に収める」、3.腕前、手並み:「―を拝見する」、4.心の中で考え、計画していること:「相手の―を読む」などと書かれていますが、これらの言葉がどのように剣道とつながるのでしょうか?
剣道では、次のようなことを言います。

  • 手の内が決まれば、冴えのあるうちができる。
  • 手の内の作用で伸びのある一本を打つ秘訣
  • 手の内が悪ければ、刃筋の通った打突は望めない。
  • 切り返し稽古で手の内を鍛える。

さて、いよいよ、「手の内」という言葉が分からなくなってきてしまいましたか?
様々な受け止め方があると思いますが、簡単に言うと正しい打突をするために必要な手首の使い方をはじめとしたからだの運用動作全般のことを手の内と表現しているのではないでしょうか。
打突の際、竹刀を締める・緩めるという動作を短い間隔で行い、臨機応変に竹刀操作をできる状態。これが手の内がよいということだと理解しています。
Ski Journal社からYouTubeに手の内の鍛え方についてのビデオが出されていましたので、紹介しましょう。後半部分の練習で下から上へこすり上げるように打つ練習は、もしかしたら居合いから剣道を始めた先生方にとっては違和感があるかもしれません。しかし、様々な練習法のひとつとして受け止めれば、小中高校生の剣道の練習としては、アリだと思います。
剣道上級者の打ち方を身につける