■日本剣道形4本目は、突き返し面です。
打太刀: 八相の構え
仕太刀:脇構え
 

 
 
■理合・解釈 状況に応じた構え 体さばきよく巻き返して勝つ

  • 互いに間合いを詰めますが、簡単には打っていきません(ジリジリと間合いを詰める)。どちらの構えも相手が来なければ、こちらから技を出すことがない、そんな中でのにらみあいが続きます。意を決して中心を打っていくに際して、1拍子で打つことが大切です。
  • 切り結ぶという動作は、互いにどうにもならなかった状況です。勝つべきところは断固として引きません。妥協点を見つけようとしたほうに心の弱さが出てきます。
  • 打太刀が右肺を突くときに、剣先はやや下方、前かがみになります(仕太刀に刀を抜かれた格好になるため、前のめりになる)。
  • 仕太刀は、受け流すのではなく抜いて巻き返します(仕太刀の刃が打太刀の刃に乗っからないこと)。左拳を十分に上に上げることが大切です。また、抜く動作と打つ動作は一拍子で行うこと。

 
■八相の構えについて
”陰の構え”とも言われ、上段から変化した構えで、瞬時に八方の敵に対処できるとされる。一刀流に伝わる「五行之形」の4本目の構えである。八相は、鎧兜をつけた時代の剣術では、刀を上段に振りかぶることが出来ないので、少し右におろして構えたというのが一般的な解説だそうですが、別の説もあります。屋内で上段を取ろうとしても天井があるのを考慮する必要があり、場所によっては上段よりも少し下げて八相になったという説もあります。
■脇構えについて
”陽の構え”とも言われ、刀を隠して長さが分からないようにして構える。敵の攻撃に対して刀を長くも短くも使うことが出来る。一刀流に伝わる「五行之形」の5本目の構えである。脇構えは、狭い場所、暗い場所などで敵の様子をうかがう構えです。自らは襲いかからない防御本位の構えです。
 

仕太刀

打太刀

・      打太刀は八相の構え、仕太刀は脇構えで、互いに左足から小さく3歩進む
・ 打太刀の変化に応じて仕太刀もすかさず脇構えから左上段に変化し、 ・機を見て打太刀は八相の構えから左上段に変化し、
双方ともじゅうぶんな気勢で、右足を踏み出し正面を打つ。
相打ちとなり、互いに鎬を削るようにして相中段となる。
・      仕太刀は、左足を左斜め前に踏み出し、右足をその後ろに移すと同時に・      大きく巻き返して、「トー」のかけ声で打太刀の正面を打つ。※ 面を「切り落とす」のではなく、「切り結ぶ」ということが大切。切り落とすとすでにそこで勝負がついてしまう。 ・  打太刀は機を見て刃先を少し仕太刀の左に向け、右足を(左足をともなって)進め、仕太刀の刀を制しつつ、両手で「ヤー」のかけ声で仕太刀の右肺を突く。
・      仕太刀は右足から、 ・      打太刀は左足から、
・      双方、じゅうぶんにざん新を示しつつ、相中段となる。

 
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