10月 11
senri.kenshinkai先人の教え 日本剣道形
水戸藩出身の大日本武徳会” 大日本武徳会剣道範士、内藤高治(ないとうたかはる)先生は、高野佐三郎先生と共に剣道界に大きな影響力を持ち、「西の内藤、東の高野」と言われていたそうです。その内藤先生の講話録から日本剣道形について語った言葉を引用します。
元来、形の必要なる所以は、体を備え、気合い・呼吸・着眼・間合・足踏み・手の内・刃先・刃筋等の理を知覚せしむるのが根本である。
一通りの形だけでの練習では役に立たない。故に形を教授するには十分練習して教授しないと立案の趣旨と相違の点も生じて、教える人の動作により同じ形がいろいろに変化するから形の講習は易いようではなかなか至難である。
<中略>
我を去って講習し、この道の研究上有益なることを習う者に知覚せしむること肝要なり。
含蓄のある言葉です。
最後の言葉は、自らが教える立場に立ってより含蓄のある言葉に聞こえてきます。
6月 28
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■日本剣道形の小太刀2本目は、面受け流し面です。小太刀1本目と異なり、右鎬で受け流します。
打太刀:下段(太刀)
仕太刀:中断半身の構え(小太刀、剣先はやや低め)
留意点・理合い
- 打太刀が下段をとった場合、仕太刀は剣先を打ち太刀の胸部、刃は下へ向け、左肩を少し引いた状態とする。
- 対峙したときの気争い
- 小太刀がふところに入ってしまうと打ち太刀は対応できない状態になってしまうので、そうはさせまいと思って剣先をあげていく。→1回目の入り身
- 耐えきれず(懐に入られては行けないと思い)、太刀を脇にとる。→2回目の入り身
- 仕太刀はスーと前へ出て、剣先を胸部につける。
仕太刀
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打太刀
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・中段半身の構え(剣先はやや低め) |
・下段 |
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お互いに右足から進む
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・打ち太刀が中断になろうとするタイミングを捉え、仕太刀はこれを押さえて入り身になろうとする。 |
・身を守ろうとして下段から中段になろうとする。 |
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・押さえられまいとして、右足を後ろに引いて脇構えに開く |
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・すかさず入り身になって攻め込む |
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・ 左足を左斜め前に・ 右足をその後ろに進めて体を左に開くと同時に右手を頭上に上げは先を後ろにし、右鎬で受け流す。 |
・やむをえず脇構えから変化して左上段に振りかぶり、右足を踏み出すと同時に「ヤー」のかけ声で仕太刀の正面を打つ。 |
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・「トー」のかけ声で正面を打ち、打ち太刀の二の腕を押さえ、 |
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・右こぶしを右腰にとり、刃先を右斜め下に向け剣先をのどにつけて残心を示す。 |
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・右足から相中段となる。 |
・左足から相中段となる。 |
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双方同時に相中段となった後、刀を開いて右足から下がる。
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6月 28
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■日本剣道形の小太刀1本目は面受け流し面です。左鎬で受け流します。
打太刀:左上段(太刀)
仕太刀:中段半身(小太刀、剣先はやや高め)
留意点と理合い
- 小太刀:左手を腰にとること→腰を安定させる
- 小太刀:構えを解いたら手を下げること
- 中段半身の構えは、必ず中段の構えから右足を半歩進める。左肩を少し後ろに引く感じ。剣先は打ち太刀の顔の中心につける。
- 上段は手を額の前に拳一握りの位置におく。
- 太刀の短い者が太刀の長い者と対等に戦うには、手を前に出して太刀を長く使う必要がある。
- 小太刀1本目だけ、打ち終わったときにその場で合わせる(あとは、戻りながら合わせる)
- 「心の入り身」:小太刀1本目と3本目は心の入り身。
- 仕太刀が心の入り身で打っていこうとするのを察知した打ち太刀が面に出てくる → ここで仕太刀は鋭角にさばいて表しのぎを使ってすり落とす(鈍角にさばくと刃で受けることになってしまう)。
- 「残心」は、先の気持ちでいつでも出れる状態に。
仕太刀
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打太刀
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・ 中段半身に構える(剣先をやや高め)※ 小太刀を抜いて構えたとき、左手は5本の指を揃えて栗形(くりがた)の上を押さえる。 |
・ 左上段(左手、左足前)に構える。 |
お互いに構え、互いに進む
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・ 右足から進む。・ 間合いに入るや否や仕太刀は入り身になろうとする |
・ 左足から進む・ 右足を踏み出すと同時に左上段から「ヤー」のかけ声とともに仕太刀の正面を打ちおろす。 |
・仕太刀は右足を右斜め前に、左足をその後ろに進めて身体を右に開くと同時に右手を頭上に上げは先を後ろにして左鎬で受け流し、「ドー」のかけ声でうち達の正面を打つ。 |
・ 剣先を下ろしたまま、左足から送り足で一歩ひく。 |
・仕太刀は左足から1歩ひいて上段にとり、残心を示す。 |
・ 剣先を合わせながら、仕太刀に正対する。 |
双方同時に相中段となった後、刀を開いて下がる。
※刀を開いて下がるとき、剣先は相手のひざの直ぐ下につける。以下はすべて同じ。 |
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4月 13
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■日本剣道形7本目は抜き胴です。
打太刀:中段
仕太刀:中段
■理合・解釈 胴の極意”抜き胴” 熟達者のかけ声:ヤー・トウは同時
- 間合いに接したときに「打太刀は機をみて胸部を突く」とありますが、仕太刀は諸手を伸ばして表鎬で支えます。この状態を”剣前体後(けんぜんたいご)”といいます。
- 打太刀が二足一刀で面に打って出るところを仕太刀は一挙動で胴を抜きます。
- 打太刀が振りかぶった瞬間に担ぎ胴を打つ、”後の先”の応用技で、位で勝っているからこそ、仕太刀は間髪入れずに打って出ることが出来ます。
- 担ぎ胴は、右足を斜め前にさばいて担ぎ、担いだ瞬間に左足で体を押し出すようにしてきる(右足で左足の抜け道を探り、方向性を決め、左足で踏み切って切る)。
- 理合からすれば、「トー」「ヤー」が本当。
仕太刀
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打太刀
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・ 双方、相中段に構え、互いに右足から先の気位で進む |
・ 仕太刀は左足から体をひくと同時に突きの気勢で諸手を伸ばして剣先を左斜め下に向け鎬で打太刀の刀を支える |
・ 間合いに入るや打太刀は機をみて右足を軽く1歩踏み込みつつ、刀の刃部をやや仕太刀の左斜め下に向け、鎬で刷り込みながら諸手で仕太刀の胸部を突く。 |
互いに会い中段となる。 |
・ 仕太刀は右、左、右と足を運び、体をすれ違いながら、諸手で「トー」と打太刀の右胴を打つ(このとき、目を相手の体から離さないこと)※ 胴を打つとき、次の動作を1,2,3と心の中で唱えてやるといい。1.打太刀が左足を出したとき、
2.打太刀が右足を出したとき
3.仕太刀が「トー」という |
・ 打太刀は、左足をふみだ足、右足を踏み出すと同時に、体を捨てて「ヤー」と仕太刀の正面に打ち込む※ 唯一、相手から眼が離れる瞬間 |
・ 仕太刀は軽く右ひざをつき、爪先を立て左ひざを立てる。諸手は十分に伸ばし、刀は手とほぼ平行に右斜め前にとり、刃先は右に向ける。※ 太刀の先は、右腕の延長上にある・ その後、刀を返して、脇構えで残心を示す。 |
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・ 打太刀は状態を起こして刀を大きく振りかぶりながら右足を軸にして左足を後ろにひき仕太刀と向かい合い、剣先を中段の程度につける。 |
・ 仕太刀はじゅうぶんな気勢で立ち上がり、相中段となる。 |
・ 打太刀は左足から後ろに引きながら相中段となる。 |
・ 双方ともに縁が切れないように注意しながら、左足から刀を抜き合わせた位置に戻る |
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4月 13
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■日本剣道形6本目は籠手擦り上げ籠手です。
打太刀:中段
仕太刀:下段
■ 理合・解釈 攻め崩す典型の形 絶妙の切れ技
- 3本目同様、仕太刀が位詰めで次々と打ち太刀を攻略していく流れが大切です。
- 仕太刀の業前が効いていることが大切であり、そこに打ってこさせるような攻めをしているか、中心が効いているかが肝心です。
- 打太刀は不本意ながら瞬時の小技の小手で局面打開を図りますが、仕太刀にすり上げ小手を打たれ、命をとられないまでも残心を示して敗れた姿勢を示します。
仕太刀
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打太刀
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・ 仕太刀は下段に構え、・ 互いに右足から先の気位で進む。 |
・ 打太刀は中段に構え・ 互いに右足から先の気位で進む。 |
・ 間合いに入るや、仕太刀は機を見て下段から打太刀の両こぶしの中心を攻める気勢で剣先を中段に上げ始める。 |
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・ 打太刀はすかさず中段のまま、大きく右足から(左足もともなって)1歩攻め進む。 |
・ 仕太刀は左足を左に引くと同時に小さく打太刀の小手打ちを擦り上げ、右足を踏み出して「トー」のかけ声で打太刀の右小手を打つ。※ すりあげ小手が払い小手にならないように注意(すり上げはものうちで行う) |
・ 打太刀はしずかに左足を引いて中段に戻り、機を見て右足から踏み込んで「ヤー(ヤッ)」のかけ声とともに小さく仕太刀の右小手を打つ。※ 正しく左足を開いてしのぎ、同時に右足を出して小手を打つ動作をしっかり行うこと。 |
・ 仕太刀は左足を踏み出しながら、左上段に振りかぶり、残心を示す。 |
・ 打太刀は剣先を下げて左足から左後方に大きく1歩ひく |
・ 双方、相中段となりつつ、刀を抜き合わせた位置にもどる。 |
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