千里剣心会では、稽古の初めに「剣道の理念」および「千里剣心会の稽古の心構え」を唱和しています。これに合わせて、時間の許すときは講話を組み入れる取り組みを行っております。

7月の言葉は「用意周到・準備万端」です。

岡田先生が昔八段の先生から聞いて心に残っている言葉として紹介してくださいました。

■用意周到と準備万端の違いは?

「用意周到」と「準備万端」は似た意味を持つ表現ですが、微妙な違いがあります。

「用意周到」は、ある行事や活動に臨む際に、細かいところまでしっかりと計画して準備することを指します。全体の流れや細部まで考え抜くことで、トラブルを避けたり、スムーズな遂行を目指します。例えば、試合に出場するために、相手の弱点を分析し、戦術を立てることや、備えられるトラブルに対して対策を練ることが「用意周到」です。

一方、「準備万端」は、ある行事や活動に参加する前に、必要なものや手続きを全て整えて、万全の状態にしていることを指します。あらゆる準備を完了していて、何も欠けていない状態を表現します。例えば、旅行に行く際に、必要な書類を揃えたり、荷物をきちんと整理したりすることが「準備万端」です。

簡潔に言えば、「用意周到」は計画や戦略を立てる段階での徹底した準備を指し、「準備万端」は参加する前に全ての準備が整っている状態を指します。両者は一貫してよく準備しているという意味では似ていますが、微妙なニュアンスの違いがあります。

■用意周到について

用意周到とは、「細かいことまでしっかりと準備しておくこと」です。それは、何かをする前に、大切なことを見落とさないようにすることや、思いやりを持って計画を立てることを意味します。
例えば、友達と遊ぶ前に用意周到になると、次のようなことが考えられます:
1.時間を守る:約束の時間に遅れないように、家を出る時間や交通手段を考えておくこと。
2.持ち物を確認する:遊びに必要なものを忘れないように、リストを作って確認すること。
3.天気をチェックする:外で遊ぶなら天気予報を見て、傘や帽子が必要かどうかを知ること。
4.お金を持っていく:おやつや遊び道具を買うために、お小遣いを持参すること。
5.友達の気持ちに配慮する:友達がしたいことや行きたい場所を聞いて、みんなが楽しめる計画を立てること。
周到になることで、予期せぬトラブルを避けたり、スムーズに楽しい時間を過ごしたりすることができます。小学生の皆さんも、学校や遊びの中で、用意周到な心を持つことで、より楽しい経験をすることができるでしょう。

■準備万端について

準備万端とは、「すべての準備が整っていて、何も忘れていない状態」のことを意味します。これは、大切な行事や試合、イベントなどに参加する前に、必要なことをしっかりと準備しておくことを指します。例えば、遠足に行く場合には、次のようなことが準備万端であると言えます:

1.お弁当を作る:おいしいお弁当を作るために前日に食材を買っておき、朝になったら詰めること。
2.服装を選ぶ:天気予報を確認して、適切な服装を選んで準備すること。
3.リュックに必要なものを入れる:水筒やおやつ、帽子、タオルなど、必要なものをリュックに詰めておくこと。
4.予定を確認する:出発時間や帰宅時間など、予定をしっかりと把握しておくこと。
5.お金を持っていく:入場料や交通費が必要な場合には、お金を持っていくこと。

準備万端になることで、遠足や行事などがスムーズに進み、楽しい思い出をたくさん作ることができます。大切なことを忘れずに準備をしておくと、安心して楽しい時間を過ごすことができるので、小学生の皆さんもぜひ心掛けてみてくださいね。

「用意周到・準備万端」は、剣道が強くなるためだけでなく、人生を切り開いていく上でも必要不可欠な要素となります。以下に、これらのキーワードが剣道と人生にどのようにかかわるかについてまとめます。

剣道における「用意周到・準備万端」:

「用意周到・準備万端」は、剣道だけでなく人生全般においても大切な価値観

1.基礎の徹底:剣道は瞬発力や技術だけでなく、基礎的な姿勢や動作が重要です。日々の練習で基本を忠実に身につけることで、戦いの中でより確かな技を発揮できるようになります。
2.心の準備:剣道は肉体的な戦いだけでなく、精神的な戦いでもあります。試合や稽古に向けて、自分の心を整えることが重要です。自己の意識と向き合い、冷静で集中した心を持つことで、効果的な動きと判断が可能となります。
3.目標の設定:剣道は継続的な努力が必要です。目標を具体的に設定し、それに向かって計画を立てることで、モチベーションが維持され、一歩一歩成長していくことができます。
4.対戦相手の研究:試合においては相手をよく知ることが重要です。相手の特徴や弱点を把握し、戦術を練ることで、戦いの中で有利に立つことができます。
5.安全対策:剣道は危険な面もあります。けがや怪我を防ぐために、適切な防具の着用や身体のケアを怠らず、「用意周到・準備万端」な状態で稽古に臨むことが大切です。

人生を切り開いていく上での「用意周到・準備万端」:

1.目標設定と計画:人生においても目標を持ち、それを達成するための計画を立てることが重要です。遠大な夢や目標を持つことで、やる気と向上心が生まれます。
2.自己啓発:常に学び続ける姿勢が大切です。自己啓発を通じて、新たな知識やスキルを身につけ、自己成長を遂げることができます。
3.困難への対応:人生には様々な困難が待ち受けます。しかし、「用意周到・準備万端」な状態であれば、困難にも立ち向かう勇気とリーダーシップを発揮できます。
4.チームワークとコミュニケーション:人生においても、他者との協力やコミュニケーションが不可欠です。互いに支え合い、共に成長することで、より豊かな人生を築くことができます。
5.ポジティブなマインドセット:人生には不確定な要素がつきものです。しかし、「用意周到・準備万端」なマインドセットを持つことで、ポジティブな姿勢を保ち、困難を乗り越える力を身につけることができます。

「用意周到・準備万端」の精神は、剣道の道場から人生の中にも広がります。これらの価値観を大切にし、日々の努力を惜しまないことで、剣道だけでなく、人生全体が充実したものになることでしょう。